【Excel VBA ベーシック】合格講座 Vol.1|マクロとVBAの違いとは?

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Excel VBA ベーシック試験の合格を目指す方へ向けた講座です。第1回は「マクロとVBAの概念」をテーマに、試験で問われる基礎知識を体系的に解説します。


この記事のポイント

  • VBAエキスパート試験(Excel VBA ベーシック)の 第1章「マクロとVBAの概念」 を解説
  • 試験冒頭10問で問われる 用語・概念問題の対策 ができる
  • 公式テキストがなくても理解できる構成
  • 現役VBA開発者による 実務視点のコメント付き

📘 公式テキストで効率的に学習

本シリーズは公式テキストに準拠しています。手元に置いて併読すると理解が深まります。
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はじめに:この講座について

「VBAエキスパートを受けたいけど、何から始めればいいかわからない」

そんな方のために、現役でVBA開発を行っている筆者が、試験範囲を体系的に解説するシリーズです。

VBAエキスパート試験(Excel VBA ベーシック)は 全40問・50分 の試験ですが、冒頭の約10問は用語や概念に関する選択問題です。ここで確実に得点できるかどうかが、合格ラインを超えるカギになります。

この第1回では、公式テキスト第1章「マクロとVBAの概念」の内容を、試験で問われるポイントに絞って解説します。

📘 シリーズ全体の目次 → VBAエキスパート合格講座 記事一覧


VBAとマクロの関係

VBA(Visual Basic for Applications)とは

VBA は、Microsoft社が開発した プログラミング言語 です。

正式名称は「Visual Basic for Applications」で、試験では略語のスペルが問われることがあります。

VBAの特徴は、Excel・Access・Word・Outlookなど Microsoft Office製品に組み込まれている こと。各アプリケーション専用のVBAが用意されており、それぞれのアプリケーションを操作するための機能が備わっています。

アプリケーションVBAでできること
Excelセル操作、グラフ作成、データ集計の自動化
Accessデータベース操作、フォーム制御
Word文書作成・編集の自動化
Outlookメール送受信、予定表操作の自動化

その中でも Excel VBA は、Excelの知名度・汎用性の高さから、VBAの中で最も利用者が多いプログラミング言語です。


マクロとは

マクロ」という言葉には、広義狭義の2つの意味があります。

意味説明
狭義VBAによって記述されたプログラムそのもの
広義Officeツールを自動化する機能全般(「マクロの記録」機能なども含む)

公式テキストでも両方の意味が解説されています。試験では「VBAとマクロの関係」を問う問題が出題されやすいため、以下の理解が重要です。

試験対策のポイント

「VBAはマクロを記述するための言語である」→ 正しい
「マクロはVBAでしか作成できない」→ 誤り(「マクロの記録」機能でも作成可能)


Excel VBA(マクロ)でできること

一般的に「マクロ = Excelの操作を自動化するツール」と認識されていますが、実際にはもっと幅広いことができます。

Excel VBAで実現できること:

  • Excelの操作自動化(セル編集、グラフ作成、印刷など)
  • ファイル・フォルダの操作(作成、コピー、削除、一覧取得)
  • テキストデータの編集・加工
  • 他のOfficeアプリケーションとの連携(Outlook、Word、PowerPoint)
  • Webスクレイピング(Webサイトからのデータ取得)
  • Windows APIを使った高度な処理

💡 実務での活用シーン

試験では「ExcelやOffice製品の自動化ツール」という理解で十分ですが、実務ではWebブラウザの自動操作や外部システムとの連携にも使われます。

当サイトの「LesserScraping」シリーズでは、試験合格後のステップアップとして、VBAによるWebスクレイピングの実装方法も解説しています。


【補足】プログラミング言語とは

この章は試験に直接出題されることは少ないですが、「なぜVBAというものが存在するのか」を理解しておくと、この先の学習がスムーズになります。すでに他のプログラミング言語を習得済みの方は、次の記事へ進んでください。


機械語

コンピュータは、すべての処理を 信号のON・OFF の組み合わせで実行しています。

この信号を「0」と「1」の 2進数 で表現したものが「機械語」です。機械語は、コンピュータ(CPU)が直接理解し実行できる 唯一の言語 です。

📝 2進数とは

私たちが普段使う「10進数」は0〜9の10種類の数字で数を表現しますが、「2進数」は0と1の2種類だけで表現します。

例:10進数の「5」→ 2進数では「101」

コンピュータの信号(電気のON/OFF)を表現するのに適しているため、機械語は2進数で記述されます。


アセンブリ言語

機械語は人間が読み書きするには不向きです。

たとえば、「2つの数を足す」という命令が 10110010 のような数字の羅列で表現されても、パッと見て意味を理解するのは困難です。

そこで、機械語の命令を人間が理解しやすい単語(例:ADD = 加算)に置き換えた言語が「アセンブリ言語」です。

アセンブリ言語は 機械語と1対1で対応 しており、最古のプログラミング言語とされています。


コンパイル

人間が書いたプログラムをコンピュータで実行するには、最終的に 機械語に翻訳 する必要があります。

この翻訳作業を「コンパイル」と呼びます。

プログラミング言語を学ぶということは、この「コンパイルのルール」を学ぶことでもあります。どう書けばコンピュータが正しく解釈してくれるのか、その文法やルールを習得していくわけです。


プログラミング言語の進化とVBA

1940年代に登場したアセンブリ言語から、プログラミング言語は大きく進化しました。

現在では、C言語、Python、JavaScript、Rubyなど、目的や用途に応じた多種多様な言語が存在します。

VBAはその中で、Microsoft Office製品に特化した言語として1993年に登場しました。Office製品の操作に必要な機能が豊富に用意されており、専門的なプログラミング知識がなくても比較的習得しやすいという特徴があります。


試験対策まとめ:この章で押さえるべきポイント

✅ 必ず覚えるべき用語

用語説明試験での注意点
VBAVisual Basic for Applicationsスペルを正確に覚える
マクロVBAで書かれたプログラム(狭義)/ Office自動化機能全般(広義)両方の意味を理解する

📘 公式テキストで理解を深める

この章の内容は公式テキスト第1章に詳しく解説されています。模擬問題も収録されているので、本番前の腕試しにも最適です。
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練習問題

準備中


次の記事へ

第2回では、VBAを書くための環境である「VBE(Visual Basic Editor)」について解説します。実際に手を動かしながら学習を進めていきましょう。

📘 次の記事 → 【VBAエキスパート合格講座②】VBE(Visual Basic Editor)の使い方


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