【Type 9】The Peacemaker:組織を守る「最強の緩衝材」

HUMAN LOGIC TYPE-09

The Peacemaker
組織を守る「最強の緩衝材」

彼らは決して、自ら波風を立てません。
その存在感の薄さは、組織がうまく回っている証拠でもあります。
対立を吸収し、バラバラな個性を「ひとつ」に繋ぎ止める、Type 9(平和をもたらす人)の静かなる力。

Asset Value (強み)

受容力・安定感

どんな相手の意見も否定せず聞ける。

Management Risk

事なかれ主義

問題を先送りし、決断を避ける。

1. 組織における機能定義

会議で意見を求めても「みなさんに合わせます」「どちらも一理ありますね」と答え、自分の主張を一切しない部下はいませんか?
彼らがType 9(平和をもたらす人)です。

一見すると「やる気がない」「主体性がない」と評価されがちですが、それは誤解です。
彼らは組織内のギスギスした空気を敏感に察知し、無意識のうちに緩衝材となって摩擦熱を逃がしています。
Type 8やType 3のような「尖った人材」が共存できているのは、彼らのような「クッション」が間に挟まっているからこそです。

2. ケーススタディ:「板挟み」による問題の先送り

あるプロジェクト調整役の事例

営業部と開発部の対立が激しいプロジェクトで、調整役を任されたリーダー(Type 9)がいました。
彼は持ち前の穏やかさで、強気な営業部長の話も、頑固な開発課長の話も、ニコニコと頷いて聞いていました。

しかし、納期直前になって重大な問題が発覚します。
営業には「機能追加できます」と言い、開発には「仕様変更なしでいきましょう」と、その場を収めるために矛盾した返答をしていたのです。

結果、両者の認識に決定的なズレが生じ、プロジェクトは大炎上。
詰め寄られた彼は「喧嘩してほしくなくて、言い出せなかった…」と力なく答えるだけでした。

なぜ彼は「嘘」をついたのか?

彼には悪意も、相手を騙すつもりもありませんでした。
Type 9は本能センターの中心(核)におり、「平和維持機能」が過剰に働いています。
彼らは自分の意見を持つこと自体が「分断(平和の破壊)」につながると恐れ、無意識に自分を消して(麻痺させて)しまったのです。

  • 「No」と言って波風を立てることを極端に恐れ、過剰に適応した。
  • 決定的な判断を避け、時間が解決してくれる(問題が消える)のを待った。
  • 自分さえ我慢すれば(黙っていれば)丸く収まると錯覚した。

管理者が理解すべきは、彼らの「決められない」態度は、能力不足ではなく「平和を守ろうとする本能の暴走」だということです。
彼らは平和を守ろうとして、結果的に戦争を招いてしまったのです。

3. 運用プロトコル:どう助言すべきか

彼らを無理やり決断の矢面に立たせると、頑固になって殻に閉じこもります。
彼らの「眠り(自己忘却)」を覚ますには、以下の2つのアプローチが有効です。

① 「君はどうしたい?」と聞かない

自分の欲求を抑圧することに慣れている彼らに、急に意見を求めても困惑するだけです。
代わりに「手順(ルーチン)」を与えてください。
「この条件の時はA、それ以外はB」という明確な判断基準を渡せば、彼らは安心して、正確かつ淡々とタスクを処理し始めます。

② 「存在」を承認する(中立への回帰)

彼らは「自分は重要ではない」と思い込んでいます。
無理に成果を出させる(Type 3化させる)必要はありません。
ただ「君がそこにいてくれるだけで、チームは安心する」と伝え、彼らの存在そのものを肯定してください。
「自分はここにいてもいい(波風を立てても壊れない)」と自覚した時、彼らは眠りから覚め、驚くほど強力な「組織のバランサー」として機能し始めます。

静かなる大器を目覚めさせる

Type 9は「眠れる巨人」です。
彼らが本気で動き出した時の安定感と持続力は、他のどのタイプよりも強力です。

彼らをただの「大人しい部下」として埋もれさせるか、組織の要(かなめ)として覚醒させるか。
それは、上司であるあなたが、彼らの「沈黙」の意味をどう汲み取るかにかかっています。

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