HUMAN LOGIC TYPE-03
The Achiever
成果を渇望する「組織のスター」
彼らは息をするように「目標」を追いかけます。
その華麗なプレゼンテーションと圧倒的な実行力は、組織の憧れです。
しかし、その輝きの裏には、「失敗」を何よりも恐れる脆い自尊心が隠されています。
Asset Value (強み)
効率性・演出力
最短ルートで成果を出し、魅力的に見せる。
Management Risk
虚飾・隠蔽
失敗を隠し、実態以上に良く見せようとする。
1. 組織における機能定義
あなたの部下に、常に身だしなみが完璧で、レスポンスが早く、上司が喜ぶ報告書を作るのが上手い人間はいませんか?
彼らがType 3(達成する人)です。
彼らは「有能であること」にアイデンティティを置いています。
目標を与えれば、どんな手段を使っても達成しようとする彼らは、組織の成長エンジンです。
しかし、過度なプレッシャーがかかると、彼らの目的は「成果を出すこと」から「成果が出ているように見せること」へとすり替わります。ここに最大のリスクが潜んでいます。
2. ケーススタディ:「順調です」の裏で起きた崩壊
あるエース社員の事例
大型プロジェクトを任された若手エース(Type 3)がいました。
定例会議での彼の報告は常にパーフェクト。「スケジュール通り」「課題は解決済み」と、美しいスライドでプレゼンし、経営陣も彼を高く評価していました。
しかし、リリース1週間前、彼は突然会社に来なくなりました。
慌ててPCを確認すると、実際の実装はボロボロで、数ヶ月前から解決困難なバグを抱えていたことが発覚しました。
彼は「評価を下げたくない」一心で、不都合な真実を隠蔽し、「自分でなんとかできるはずだ」という希望的観測で、嘘の報告を重ねていたのです。
なぜ彼はSOSを出せなかったのか?
Type 3にとって、「できない」と言うことは「自分には価値がない」と認めることに等しい恐怖です。
彼は感情センターの中心(核)にいるため、「評価されたい」という機能が過剰に暴走し、自分を偽ってでも期待に応えようとしました。
- エンジンの回転数を上げすぎ、実態のない「理想の自分」を演じ続けた。
- 「なんとかなる」と問題を先送りし、報告を偽った。
- 最終的にオーバーヒートし、Type 9のような「無気力・思考停止」状態に陥った。
管理者が理解すべきは、彼らの「完璧な報告」ほど疑う必要があるということです。
彼らは悪意を持って嘘をついているのではなく、演じることに必死すぎて、現実が見えなくなっているのです。
3. 運用プロトコル:どう助言すべきか
彼らのモチベーション(承認欲求)を殺さずに、嘘をつかせない環境を作るには、評価軸を少しずらす必要があります。
以下の2つのアプローチで、彼らを「真のリーダー」へと導いてください。
① 「悪い報告」こそ高く評価する
彼らが隠蔽するのは、失敗を責められるのが怖いからです。
「トラブルを早期に発見したこと」を能力として称賛してください。
「早めにバッドニュースを持ってきた君は優秀だ」と刷り込むことで、彼らは安心して事実を報告するようになります。
② 「足す」のではなく「引く」(中立への回帰)
彼らは「何か別の凄い存在」になろうとして、常に無理をしています。
彼らに必要なのは、新しいスキルでも目標でもなく、「減速」です。
「成果を出さなくても、君の価値は変わらない」と伝え、演じることを止めさせてください。
メッキを剥がし、等身大の自分に戻った時、彼らの本来の能力が最も効率よく機能し始めます。
メッキを剥がし、本物の金にする
Type 3は、組織の顔となる華やかな存在です。
彼らが虚勢を張る必要がない心理的安全性を提供できた時、そのメッキは剥がれ落ち、中から錆びることのない「本物の自信」が現れます。
その時、彼らは自分のためだけでなく、組織のためにその類稀な能力を使う「真のスター」となるでしょう。