HUMAN LOGIC TYPE-05
The Investigator
戦略を描く「組織の頭脳」
彼らは感情論に流されず、事実と論理だけで世界を構築します。
その洞察力は、複雑な問題の核心を一瞬で射抜きます。
しかし、その思考は「密室」で行われるため、アウトプットされるまで周囲は彼らが何を作っているのか理解できません。
Asset Value (強み)
分析力・専門性
客観的な視点で、最適解を導き出す。
Management Risk
閉鎖的・非行動
情報を抱え込み、実行に移さない。
1. 組織における機能定義
あなたの部下に、会議中は無言でパソコンを叩いているのに、後から聞くと誰よりも状況を正確に把握している人間はいませんか?
彼らがType 5(調べる人)です。
彼らは「知識=生存能力」と考えています。
リサーチや技術開発において、彼らは驚異的な集中力を発揮し、誰も到達できない深さまで潜ります。
しかし、彼らは「自分のリソース(時間・体力)」を奪われることを極端に嫌うため、他者とのコミュニケーションを遮断し、組織内に「開かずの間」を作ってしまう傾向があります。
2. ケーススタディ:「最強システム」のブラックボックス化
ある社内SEの事例
複雑なデータ集計業務を一人で担当していた部下(Type 5)がいました。
彼は独学でプログラムを組み、手作業で3日かかっていた仕事を30分で終わらせる「最強の自動化システム」を構築しました。
上司は彼を称賛しましたが、ある日彼が体調不良で長期欠勤した際、問題が起きました。
そのシステムの使い方も、コードの中身も、彼以外は誰も知らなかったのです。
マニュアルはなく、「聞かれなかったので作っていません」とのこと。
業務は完全にストップし、部署は大混乱。「彼がいないと何も回らない」という状況は、組織にとって最大のリスクとなっていました。
なぜ彼は情報を「共有」しなかったのか?
Type 5にとって、他者からの干渉は「リソースの略奪」です。
いちいち説明する手間を惜しみ、一人で完結させることに固執した結果、ストレス下で「Type 7(熱中する人)」へ分裂(退行)し、注意散漫で無責任な状態に陥りました。
- 「説明するより自分でやった方が早い」と断絶を選んだ。
- まだ準備不足だと感じ(無能だと思われる恐怖)、アウトプットを先延ばしにした。
- 組織の利益よりも、知的な自己満足を優先した。
管理者が理解すべきは、彼らは悪意で隠しているのではなく、「自分はまだ未完成だ」という自信のなさから、殻に閉じこもっている場合が多いということです。
3. 運用プロトコル:どう助言すべきか
彼らを無理やり飲み会に誘ったり、感情的な交流を求めてはいけません。
彼らが必要としているのは「プライバシー」と「知的な課題」です。
① 「アウトプット」を業務要件にする
「共有してね」という曖昧な指示では動きません。
「マニュアル作成までが開発業務だ」「週に1回、知見をレポートせよ」と、知識の外部化をタスクとして定義してください。
彼らは論理的に納得すれば、質の高いドキュメントを喜んで作成します。
② 知識を「行動」に変えさせる(統合への導き)
成長の方向(統合)は「Type 8(挑戦者)」です。
ここが非常に重要です。頭でっかちになりがちな彼らに、小さな「実行」と「リーダーシップ」を任せてください。
「君の理論は完璧だ。あとは君が号令をかけるだけだ」と背中を押した時、彼らは引きこもりの賢者から、世界を変える「戦略的リーダー」へと覚醒します。
知性は、使われてこそ武器になる
Type 5の頭脳には、組織の難題を解決する鍵が眠っています。
しかし、その鍵は彼らのポケットの奥深くにあり、外からは見えません。
彼らの知的好奇心を尊重しつつ、その成果を組織全体に還元させること。
それができた時、あなたのチームは「論理」という最強の武器を手に入れることになります。