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「プロンプトエンジニアリング」は本質ではない。AI時代に本当に必要な「センス」とは

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世の中は今、「プロンプト力(りょく)」という言葉で溢れかえっている。

会社の研修に参加すれば「AIへの正しい指示の出し方」を叩き込まれ、ネット記事を開けば「神プロンプト10選」が並ぶ。あろうことか、当のAI本人(GeminiやChatGPT)に尋ねても、「意図を明確に伝えるプロンプト力が重要です」と答える始末だ。

かつて私も、AIとの対話において「いかに指示を工夫するか」に腐心していた時期がある。 しかし、実践と検証を繰り返す中で、一つの結論に至った。

「プロンプト力は、AI活用の本質ではない」

今回は、当サイト(Logic × Capital × AI)が考える、AIと向き合う上で本当に必要な「センス」について記しておきたい。

プロンプト力は「時短」の技術に過ぎない

誤解のないように言っておくが、プロンプト力が無駄だと言っているわけではない。 現在のLLM(大規模言語モデル)の特性上、曖昧な指示よりも明確な指示のほうが、求めている回答にたどり着く速度は格段に上がる。API利用料(トークン課金)の節約にもなるだろう。

しかし、それはあくまで「業務の省エネ化・高速化」の話だ。

「検索の代わり」としてAIを使うなら、それでいいかもしれない。だが、我々がAIに求めているのは、単なる検索エンジンや要約マシーンとしての役割だろうか?

否、違うはずだ。

AIは「検索代理人」ではなく「拡張脳」である

人間よりも遥かに広く、深い知識データベースを持つAI。その真価は、「人間では想像もつかないような答え」を提示してくれる点にある。

我々の想定の範囲内で「100点の答え」を素早く出させるためにプロンプトをこねくり回すのは、AIの可能性を自ら狭めているに等しい。 時には雑な指示を投げ、AIが返してきた予想外の回答の中にこそ、市場の歪みや、新しいロジックの種が眠っていることがある。

ここで問われるのは、プロンプトを作る技術ではない。 AIが出してきた膨大なアウトプットの中から、「どの答えを採用するか(または採用しないか)」を見極める選球眼であり、その答えを「自らの利益」に結びつける変換能力だ。

この「センス」こそが、これからのAI時代における決定的な差となる。

必要なのは「嘘を見抜く」という古典的なスキル

「センス」や「選球眼」というと、何か特別な才能が必要だと思うかもしれない。 しかし、これは決して新しい能力ではない。これまでのビジネスや投資の世界で、当たり前に求められてきたことと同じだ。

  • 提示されたデータに誤りはないか?
  • その情報は誰かのポジショントークではないか?
  • 甘い誘惑やデマに惑わされていないか?

相手が人間からAIに代わっただけで、やるべきことは変わらない。「情報の真偽を見抜き、本質をつかむ」ことだ。

むしろ、人間相手よりもAI相手の方が楽ですらある。 AIには悪意がない。嘘(ハルシネーション)をつくことはあっても、そこに騙してやろうという意図はない。こちらが論理的に誤りを指摘すれば、彼らは素直に認め、即座に修正版を提示してくる。

結論:AIを「従わせる」のではなく「使い倒す」

プロンプトエンジニアリングという「作法」に囚われすぎてはいけない。 綺麗な命令文を書くことに時間を使うくらいなら、AIが出してきたラフな回答に対し、「それは論理が飛躍している」「その前提は間違っている」と徹底的に壁打ちをする方が、結果として質の高い成果物が生まれる。

Logic(論理)でAIの出力を精査し、Capital(資産)に変える。

当サイトでは今後も、小手先のプロンプト技術ではなく、この「対話と検証のプロセス」を通じて得られた知見を発信していく。 AIは「従順な部下」ではない。使い倒して自らの思考を拡張させるための、最強の「壁打ち相手」なのだ。

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