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【投資哲学】バフェットが説く「安全マージン」の本質と論理

大納会に贈る、バフェット最強の守備術。「安全マージン(Margin-of-Safety)」のアイキャッチ

2025年の相場も、今日の大納会をもって幕を閉じます。
この1年、あなたの資産はどのような軌道を描いたでしょうか。
市場の熱狂に乗って大きく増やした人、あるいは予期せぬ変動に翻弄された人。結果は様々でしょう。

しかし、短期的な勝敗よりも重要なのは、「2026年以降も市場で生き残り続けること」です。
そのために、年の瀬の今こそ立ち返るべき、投資の絶対的な基本概念があります。

それが、現代における投資の神様ウォーレン・バフェットが師であるベンジャミン・グレアムから受け継いだ、「安全マージン(Margin of Safety)」という哲学です。

10トンのトラックで、積載荷重10トンの橋を渡るな

「安全マージン」とは何か。
これを説明する際、バフェットは決まって「橋」の例え話を用います。

もしあなたが、積載重量10トンのトラックを運転して橋を渡るとします。
そのとき、設計上の耐荷重が「ぴったり10トン」の橋を渡るでしょうか?

論理的な答えは「No」です。
橋が老朽化しているかもしれないし、トラックの積載量がわずかに10トンを超えているかもしれない。計算上のギリギリを攻める行為は、崩落(破産)のリスクと隣り合わせだからです。

投資の世界もこれと同じです。

“You don’t try to buy businesses worth $83 million for $80 million. You leave yourself an enormous margin. When you build a bridge, you insist it can carry 30,000 pounds, but you only drive 10,000-pound trucks across it. And that is the same principle happens in investing.”

8300万ドルの価値がある事業を8000万ドルで買おうとしてはいけない。莫大なマージンを残すのだ。橋を建設するとき、耐荷重3万ポンドで設計し、そこを1万ポンドのトラックで走る。投資も同じ原理だ。
Warren Buffett

Price is what you pay. Value is what you get.

多くの市場参加者は、画面に表示される「株価(Price)」の変動に目を奪われがちです。
しかし、安全マージンの概念において重要なのは、「価格」と「価値(Value)」の乖離(ギャップ)です。

計算式は極めてシンプルです。

安全マージン = 本質的価値 - 市場価格

この「差」が大きければ大きいほど、投資のリスクは下がり、将来のリターンは高まります。
逆に、どんなに素晴らしい企業でも、本質的価値と同じ価格、あるいはそれ以上の価格で買ってしまえば、安全マージンはゼロ(またはマイナス)となり、変化への耐性が落ちます。

【なぜ安全マージンが必要なのか】
将来のキャッシュフローや金利を100%正確に予測できる人間はいません。
安全マージンとは、自分の分析が間違っていた場合や、予期せぬ不況が来た場合でも、資産を守り抜くための「物理的なバッファ」なのです。

「見逃し三振」のないゲーム

では、2026年に向けて我々はどう動くべきか。
答えは、「待つこと」です。

株式市場というゲームには、「見逃し三振」がありません。
どんなに絶好球(割安な銘柄)が来ても、自分が気に入らなければバットを振る必要はないのです。審判(市場)はストライクをコールしません。

ただひたすらに、自分の得意なコースに、誰もが驚くような緩い球(安全マージンがたっぷり確保された価格)が飛んでくるのを待てばいい。

もし来年、市場が悲観に暮れ、株価が暴落する局面が訪れたとしたら。
それは恐怖すべき「終わりの始まり」ではなく、論理的な投資家にとっては待ちに待った「安全マージン」の発生地点です。

結びに

投資は、他人との競争ではなく、自分自身の規律との戦いです。
本年もVBA.funcref()をご覧いただき、ありがとうございました。
来年も「Logic(論理)」と「Capital(資本)」を武器に、共に市場で生き残り、資産を築いていきましょう。

良いお年をお迎えください。

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